クカニロコ 王族子孫の誕生地ワヒアワの町を通り抜けてノース ショアーに向かう途中 気をつけてないと見過ごしてしまう様な細い路が草原に向かって入り込んでいる。 クカニロコは両側の草深い路を約2百メートル程歩いた所に 円形に植えられたココナッツの木に囲まれる形で並んでいる十数個の岩の史跡。 この地はハワイ王朝時代 王族女性が出産の為に やってきた聖なる場所であった。 そして特別なマナ(権力)が宿る場所とされ 多くの王族の子孫が生まれた。 ある書物によると・・・出産方法は一般の女性と異なり 王族女性は出産時に人里離れた当地にやって来て石作りの 産屋にて36人もの誕生儀式を担当するハイチーフの立会いのもと ピコ(へその緒)が切られた。 この時太鼓が空に響き渡り酋長の新しい子供の誕生を告げた。 出産後ただちに赤ん坊は酋長達によって持ち去られ 母親は自分の子供が成長する迄逢えなかった。これはライバルの支配者から 子供が成長する迄庇護する為であったと記述している。 1795年にはハワイ全島を統一したカメハメハ大王も 長男リホ・リホが生まれる前、分娩所にクカニロコを選んだが 女王が病気がちだった為実現しなかったとされている。 現在では産屋の原型を留めず幾つかの岩が残されているだけであるが 赤土の地面に横たわるクカニロコの岩から歴史の香りが感じられる。 |